赤ちゃんがやってきた1
産婦人科ドクターQの診察室、更年期症候群の患者Aさんがこぼしている。
『この頃、何かと かーとのぼせて、汗がだらだらでるわ、汗びっしょりになってすぐに着替え泣けりゃいけないので、ろくに買い物もいけません。何かもっといい薬はありませんかいな!この頃、嫁の調子が悪くて、げえげえやっとるもんで 子供でもできたっかと聞いたらちゃんと生理があったというもんでなぁ!はよ孫の顔でおみたいわなー』
いつものことながら、あちこち話が脱線している。聞くとお嫁さんが胃のレントゲン透視を受けるという。ドクターQは市販の妊娠テストで調べるだけは調べなさいとアドバイスした。
翌日、Aさんがお嫁さんをつれて跳んできた。3回妊娠テストをしたが、3回とも「+」にでたといいう。ちゃんと生理があったのにというお嫁さんに妊娠初期にはちょっとした出血があることがあって生理と間違うこともあると説明して、超音波検査を行うと子宮内に小さな胎児がでを動かしているのが観えた。
それも2人! Aさん、『自分の妊娠の時にはこんなにみえるものはなかった』といいながら、お嫁さんと大喜びしている。Aさんが超音波検査のビデオテープをお父さんにも見せると持って帰るのをみながら、これで、Aさんの更年期障害もかなり軽くなるだろうとドクターQは期待した。若い女性のレントゲン検査は慎重にとつぶやきながら。

(ある日のDr,Qの診察室日記より)
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